大地を守る会 企業情報[ソーシャルビジネス(社会的企業)]

とくたろうさん

ちょっと珍しいけどなつかしい、ふるさとの野菜

在来品種(作物)という名の、日本各地に昔から伝わる、地域の風土に根ざした野菜。

在来品種を守ろう

ふだん、ごくふつうに親しんでいる野菜の多くは、クセのない、万人むけの味わいです。見た目がきれいで揃いもよくて。大量生産がコンセプトになっているような、品種改良された商業品種がほとんどなのです。生産性や流通効率は高いけれど、こうした野菜から次世代のタネを採ってまいても、親野菜と同じような野菜は育たないんです。ですから、つねに毎年新しいタネを買わなければなりません。

在来品種は、日本各地の農家が長年、栽培とタネ採りを繰り返しながら、そこの気候風土や地域特性をいかして育て、継承してきたもの。個性ゆたかな形や味は、作物自身が、その土地本来の特質にあわせたり、人々の用途に応えながらだんだんと定着してできたわけです。こうした在来品種には、京野菜(京都)や、加賀野菜(金沢)なども含まれるって、知っていましたか?

高度経済成長を経て、効率や経済性を追求しつづけてきたこの数十年。商業品種の栽培は全国的に広まりました。その一方で、栽培に手がかかり、大量生産・大量流通に向かない在来品種はどんどん廃れていきました。

農学博士の故・青葉高さんは「在来品種には食べものとしての価値だけでなく、歴史や文化を知るための文化的価値がある」「『生きた文化財』である」ということを提唱され、ほんとうに絶滅してしまう前に、こうした在来品種の保存を急がねばならない、と警鐘を鳴らされました。私たちは大切な「文化」を失うところだったのです。大地を守る会が在来品種に注目したのは、遺伝子組み換え作物が話題になりはじめた1998年ごろ。さまざまな観点から「種(タネ)を守る」ということをあらためて考えるうちに、在来品種の大切さにも気がついたのです。

「とくたろうさん」に託した夢

ひとたび種が失われてしまえば、二度と取り返しがつかない。何とか守らねば。その一心で、市場から消えてしまった品種の保存と普及をめざして「種プロジェクト」を立ち上げました。こうしたとりくみが会員へのお届けとして実を結んだのが、2003年の「とくたろうさん」誕生だったのです。大地を守る会は、「とくたろうさん」に、ふたつの夢を託しています。ひとつは、生きた文化財である在来品種を維持していくこと。もうひとつは、新たな土地で、新たに種まき・栽培・種まきを繰り返して、多様な品種を生み出していくこと。生産量や形が安定しないために、流通事情からは敬遠されてきた個性的な野菜たち。これらを、生産者と消費者が一緒になって、作り、食べ、楽しみながら育むことで、昔の人たちが残してくれた貴重な「文化財」を、次の世代に伝えていきたいと考えているのです。

とくたろうさんの名前の由来

「とくたろうさん」の名前の由来は、岩手県旧山形村(現久慈市山県町)の故・木藤古 徳太郎(きとうご・とくたろう)さん(享年95才)。きれいで効率的な野菜が日本各地に広まってきたころ、山形村の山村文化の伝統的な雑穀や、炭焼き、短角牛も、各地で失われていった在来品種と同様に、時代遅れの象徴のように見られていました。そんな世の流れの中にあっても、徳太郎さんはこうした伝統を「おらほの宝だ」と信念を持って残し続け、そのことの意味を私たちに気づかせてくれました。

大地を守る会では、「未来に残す大切なものは、目の前にある」という徳太郎さんのメッセージを受け継ぎ、同じように日本各地で「宝物」を守ってきた、無数の「とくたろうさんたち」の思いを次代につなげる意味を込めて、このお名前を頂戴させていただきました。

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